ivataxiの日記

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ハトのシルエット

近くの公民館はいつしか壊された。木造でいかにも古い。無駄に屋根の下の空間が広く、あまり使われていなかったようにも思う。壊されたあとには、駅前開発のさらに無駄に見える空間が広がった。古い公民館の屋根の下は、ハトがたくさんいた。何かの拍子に一斉に飛び立ったり。小さい声で「クックルック・・」と、聞こえたりするから存在は知っていた。最近の信号機は、発光ダイオードに変わった。遠くからも視認性に優れ、しかも経済的と聞く。開発者が「自分の取り分が少ない」と、文句をいうのもわかる気がする。発光ダイオードの丸いはずの信号機は赤・黄・青(緑?)の光の中には、何か黒いシルエットが見える。近くに行くと、そこにハトが止まっているのが見える。信号機の傘は、ハトにはちょうど良いヤドリギのようなのだ。