ivataxiの日記

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野生の鵜

「鵜飼いに飼われた鵜」と「野生の鵜」が同窓会で会った。鵜飼いの鵜は「俺なんか大きな舟でたくさんの優秀な鵜と一緒に魚を取ってるんだぜ。それにこの立派な首輪を見てくれ」と自慢するが、野生の鵜の方は何も自慢することがなかった。その日暮らしに一羽でわずかな魚を捕っているのだ。何年か後の同窓会でみかけた鵜飼いの鵜は少しやつれて見えた。自分が取ってきた魚を鵜飼いにピンハネされることを嘆いていた。「俺は魚は自分の取っただけ食べる」と、今度は野生の鵜の方が自慢していた。どっちも自分の選んだ道だった。でも、野生の鵜は食べ過ぎて成人病が心配みたいだったし、一方、鵜飼いの鵜は自分の子供たちにも「立派な鵜飼いの鵜」になってもらうための学費に頭を悩ましていた。・・まぁ、どっちもどっち・・・「うっ♪」