ivataxiの日記

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古い蛇口は目線を占領して来た

湯船に浸かり、いつも目を閉じ「ふぅ~」なんていってる訳ではない。大抵は、目を開 けて前及び斜め前辺りに目線は泳がせている。泳がせたりするということは、目線というのは魚類の一種なのかも知れない。ともかく、その斜め前方に、例の新 しい蛇口が見える。きっと、潜在意識に30年間、古い蛇口は目線を占領して来たのだろう。新しい蛇口の下部の丸みには、まだ磨きこんだような金属の反射があり、曲面の鏡のように、湯船が映る。エッシャーが見たら、喜んでリアルに描き上げるに違いないとも思えるのであった。