ivataxiの日記

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寝袋

もう持っていないのだが、以前は「寝袋」を持っていた。学生時代は、窓の割れたとて も建てつけの悪い安い木造アパートにいた。その周辺は冬はことに寒く、寝袋から出ている顔の部分に霜が下りた。(本人は笑い事でもなかった・・)バイト先 の人に「自分で割れたガラスを直せば?」ともいわれたが、何だかイヤになって、もう少しマシなアパートに越した。お陰で、たくさんバイトをしなくてはなら なくなったが、顔に霜も降りなくなった。もう少し決断が遅ければ、室内で凍死・・という変わった事件に発展したかも?突然、旅行に行きたくなる病気で、良 く寝袋を持ってフラフラと出かけた。お陰で、生まれ故郷から300km以上遠くで今は暮らしている。寝袋は暖かいが、人間の体臭が染みこんで、おいそれと人には貸せないというマイナス面もある。時折、寝袋のことを思い出す。でも、できれば、そこに戻りたくはない。