ivataxiの日記

絵 文章 映画

夢 目覚めない

目覚めが悪い。頭がぼんやりしていてキリキリ痛む位だ。果たして眠ったのかどうかさえわからないのだからこれは目覚めといえるのかどうかさえ 疑問だが。頭がこんな具合だから身体もグッタリだ。仕事が好きか嫌いかと聞かれたら「何でそんな質問をするんだ」と怒りをそいつにぶつけたくなる。何しろ 仕事はいつまでもいつまでも処理しきれないし残業につぐ残業で一日の始まりと終わりが一体どこで切れてどこでつながっているのかさえメビウスの帯みたいに はっきりしない。会社と寮の往復のわずかな徒歩が現実との短い触れ合いの機会だ。買い物帰りの主婦がスーパーのビニールに入った荷物を地べたに置いて遮断 機の前にいた。「どうしたのですか」と聞くまでもなく何やらつぶやくのが聞こえる「いやだわ。本当なら二つ列車が通っているはずなのに。まだ来ないわ」 と。「ああ、そうなんだ」と、思ってそれならまた戻って別な道を帰ろうと思う。だが、どうも帰り道がはっきりしない。毎日毎日毎日毎日通っている寮と仕事 場との行き来の繰り返しのはずなのだが。線路沿いをとぼとぼ戻る。「ああ、わかった」ぼんやりとキリキリ痛む頭といつまでも倦怠感のグッタリと抜け切らな い体で思い出した。そうか、電車は来るはずがなかった。そういえば会社の帰りについふらふらと線路に入ってしまったのだから。頭がキリキリして全身がなか なか目覚めない訳がわかった。わからないのは「どこをどうどこへ戻れば良いのか」ということだ。まあ、良い時間は嫌になる程あるのだから。