ivataxiの日記

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弁天島花火


浜名湖弁天島花火

40年ほど前にここ浜名湖近辺に就職で引っ越した。免許をとったのは神奈川だが、車は持ってなかったから、就職した広告代理店のボロボロの1400ccデリカで運転を覚えた。ボロボロだから多少ぶつけても誰も怒らない。でも、警察に「ブレーキランプが切れてる」とかいわれる。現在のワンボックスのように大きくなくてホイールベースも短く車幅もないから結構どこでも細い道に入れた。浜松近郊の会社を出る時間にバスが終了していることがほとんどで、そんな時はこのデリカで帰る。知らないで一方通行に紛れ込んで後戻りできないこともある。湖西市に戻るには旧道・1号線・バイパスがある。バイパスは当時有料だから滅多に使わない。「今切」という、500年ほど前に津波で切れて海とつながった浜名湖の、その切れた部分にかかる世界で一番長いコンクリートの橋だ。頂上はかなり高く、太平洋と舞阪・新居・天島の町並みが見える。たまたま、それが弁天島花火と重なったことがある。高い視界の下に見える浜名湖の真ん中には真っ赤な鳥居がポツンとあった。曇り勝ちだが、花火が開いた辺りは花火の煙が留まって、別な雰囲気の煙の雲。光と音は少しタイムラグがありぼくの目と耳を楽しませた。「この景色は世界で一番なんじゃないか?」と、世界旅行もしたことないのに漠然と思った。この花火大会には若いカップルがやって来る。若いといっても中高生も含む。親も着物・浴衣を着せて駅まで送り、異例の若いカップル公認デートイベントとなる。そんな花火。晴れたらイイネ。