ivataxiの日記

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ミス・リトル・サンシャイン

旧作DVD「ミス・リトル・サンシャイン」を借りてみた


NHKラジオ「シゲ・ゴリ」で紹介していたオススメシネマということで頭の片隅にあった。だが、その片隅の小さな映画に対する気持ちは、熱を加えたポップコーンのように一気に膨らんだ。何しろ低予算で誰も注目もしないし、最初の上映映画館は数館にしか過ぎなかったというから、きっと派手さのないDVDに違いないと思った。階段を上がってすぐに目につくDVDは新作だ。「一番そこから遠い場所の隅の方の棚にあるんじゃないか?」という想像は見事に的中。すぐにゲットできた。
リア充」という言葉があるが、世間的な成功を目指す人は見てはいけない。みないで、蔑んだ方が良い映画だ。
何しろ登場人物は、アメリカの価値観では最低の負け犬の集まりなのだから。
おじいちゃん、エドウインアラン・アーキン)は、麻薬が辞められず老人施設を追い出された。ただ一人まともに見える主婦、シェリル(トニ・コレット)もタバコがやめられない。成功哲学を本にして売り込もうとしている彼女のご主人、リチャード(グレッグ・キニア 「恋愛小説家」ではゲイのダンサー役)も、思うように本が売れない。シェリルの兄、フランク(スティーブ・カレル)は有名な哲学評論家だが、ゲイの恋人にふられて自殺未遂を侵すうつ病気味の独身。とてもまともに見える兄、ドウェイン(ポール・ダノ)は空軍に入れるまでは無言の行に徹しているが・・・。
主人公のオリーブ(アビゲイル・ブレスリン)も、繰り上げでコンテストに出れることにはなったが、ポッコリおなかの幼児体型で強烈なメガネを普段はかけている。
全員でニューメキシコからカリフォルニアまで移動しなくてはいけないのに、そのお金がないため、古いフォルクスワーゲンのバス(黄色いタイプ2)を運転しながら貧乏旅行に出る家族だ。「何しろともかく全員が家族である」ということ意外は救いがないように見えるこの設定。現実なら始まりもしないお話なのだろうが・・・。
ほぼ無名のキャスト・低予算で最初は誰も見向きもしなかったこの映画だが、脚本・主演女優賞・助演男優賞が後にはついて来たというから・・。
「何で???」と思う人は、時間の無駄を覚悟しても旧作だからそんなにフトコロは痛みませんよ。
個人的に「ギャッ」と興奮したシーンが一箇所・何だか恥ずかしくなったシーンもあるし、涙が自然に出てしまう(人による)場面も・・。