中年になったらきっとジャズが好きになる

「君は中年になったらきっとジャズが好きになるよ」と、呪文のような予言をバイト先の10才年上のご主人に言われた。20才そこそこの頃で「一体、このヒトは何をオカシナことをいうヒトだろう？」くらいに聞き流した。当時は、自分から好んで音楽を聞くということはなく、周囲の少しでも感覚の良い同年代の勧めてくれる音源を聞いた。頭の中は統一感のない雑多な引き出しのようだ。小学校まではオヤジの買って来る「フランク永井」などを聞いたが、中学では友達が貸してくれる「ビートルズ」も聞いた。高校は「フォーク」だったのかも知れない。大学はみんなでギターで歌える曲だろうか？働くようになり、レンタルという概念が生まれて安価にカセットテープに録音できるようになる。カラオケが流行ると、歌いたい曲を探して録音して学んだ。途中、無我夢中に足元ばかり見ている時期を過ぎ、今は何だかジャズも好きになった。あの予言は当たってしまった。何だか悔しい。でも、良かった。