レキシントンの幽霊
レキシントンの幽霊 読書感想
ずいぶん前に「村上春樹/レキシントンの幽霊」を図書館で借りて読んだ。
分厚くてしっかりとした装丁の本だった。
あたりまえの人には考えられないことだが、
作者はレキシントンのお城みたいに豪奢だが
少し暗さのある家に一人で長期滞在することになるのだった。
そこで彼が見たものとは?
まさにタイトル通りの情景なのですが。
その小説の中でぼくにとって重要だと思えた部分は、
その頃彼が文章を書いていたパソコンが実は
「アップル社のG3ノート」だったということだった。
「へぇーっ。ムラカミハルキさんはマックユーザーなんだ」と
そこのところだけやけに共感したことを覚えている。
当時2000年前後の一般市民には
まだまだ高価過ぎて感嘆には入手できなかったシロモノだったのだ。
それからしばしの時が過ぎ、
中古パソコン屋さんで見つけG3ノートを購入したことがあった。
とても位安かったのだ。
モニターは焼け外部とつなげる部品もなかった。
モニターは外部のCRTで代用。
既に盛っていた外付けハードディスクとMOにつなぎ何とか使っていた。
結果的にかなり場所を取りノートパソコン本来の
「手軽に持ち運んで使う」という意味がなくなってしまった。
自宅に固定されたこのノートパソコンで時折
(キィーボードとマウスも外付け)このG3ノートに向かい
キィーを打つ時には、過去の村上春樹さんとどこかでつながって
当時の彼が見ただろう・・レキシントンの幽霊が
イメージできるような気がするのだった。