ivataxiの日記

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ふよう

芙蓉 ふよう 潔い引き際
よく道で目にするその花の名前は知らなくても、割に気に掛けて見ながら歩いていた。大きな朝顔くらいの花で、トランペットを演奏する時みたいに突き出した形に咲いている。赤紫なのか青紫なのかわからないけど、透明感のある薄い丈夫な花びらだ。一番奇麗に咲いたと思ったら、いきなり花を落とす。落ちた花は、たたまれた傘とか、タバコの葉巻みたいな形で、路上にたくさん転がっている。その光景が「もったいない」とも「潔い」とも同時に思わせる。成功を体験すれば誰しも「もうちょっとこのままでも良いじゃない?」と思うものだ。この花にはそんな引きずるような未練がましさというものを感じさせない。たまたま、そこの庭の持ち主がいたので、その花の名前を聞いてみた。「ふよう(芙蓉)って、いうんだよ」と教えてもらった。何て不用意な質問をする奴だ・・と、密かに思ったかも知れない。