ivataxiの日記

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MG5

MG5

MG5はオヤジの香りであった。何はなくとも幸い髪の毛だけはフサフサのオヤジ(もう、亡くなった年をぼくは越えた)が「MG5のヘアリキッド」を使っていたのだ。だからニオイはわかる。高校までしかいなかった大阪。結局、整髪料を使う男子にはならず、汗臭いボーボーの太くてまっすぐで長い髪の毛の不潔男子のまま関東に。クシとヘアリキッドは鏡の前にあり、そこはかとなく香りが残る。団地だったからたいしたオシャレな洗面台ではない。その印象に、オヤジのMG5の香りがつれていってくれそうだ。1990年1/25日がオヤジの命日だ。1/5の誕生日で60歳になり、20日後に亡くなった。18年の闘病生活の合間に、学費工面のために働いたオヤジ。当時はそんなに思わなかったのだが、今なら「男らしくてカッコイイ」と思える生き方だ。団次郎さんのMG5はその千里ニュータウンの団地にいざなう。もう、新しいマンションに作り変えられたようだが。