ivataxiの日記

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叔父は、国鉄マン

どうしても早く東京から大阪に行く必要があった。安いビジネスホテルを始発前に出る。駅には人影もまばらだ。「羽田から飛行機にしようか?新幹線で行こうか?」と、迷っていた。駅のツルツルした通路に、薄靄程度に人影(ポケモンの火トカゲではない)が見える。そのシルエットには見覚えがあった。とてもがっちりとして体も大きかった叔父さんの姿だ。その叔父は、国鉄マンだった。大阪の助役にまで登りつめたが、若くガンで逝った。子供の頃、クリスマスにプレゼントをくれたり、お年玉をくれた・・そんな思い出とセットになった暖かい影だ。その叔父の姿を見て「・・うん、新幹線にしよう」と、決めた。「最近、のぞみというのができて、新大阪なら新幹線が早いです」と、窓口で教えられた。(のぞみは当時まだ乗ったことがなかった)しかも、支払いはクレジットでできた。(これも、初めての体験だった)大阪に早くつけた。用事が済んで、別な用件で地下鉄に乗っていた。朝方見た叔父の奥さんが同じ車両に乗っていた。一緒にお酒を飲んだ。「今日は家に泊まり」と、叔母はいう。すべて、後で思えば「叔父の残像」に、繋がっている一日だった。