ivataxiの日記

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オリの中の幸せ

オラは変わり者だってみんながそういうんだ。オラは走ったり、みんなと遊んでいるよりは、一人で考えごとをしたり、ボーッとしているのが好きなんだ。オラはヨガのポーズで哲学するんだ。だけどみんなはバカだっていうんだ。テレビが気に入っていて、寝ながら見て暇をつぶすのが好きなんだ。オラはいつか「保育園」に行きたいと考えている。バスで送り向かいをしてくれるし、制服が可愛いから行きたいと思うんだ。オラのパパもママも有名人なんだ。テレビに良く出ているからね。オラも一緒に出演することもあるよ。オラはあんまりクヨクヨしないよ。悩みごとを考えるよりも、どうしたら今が気持ち良いかを考えるのさ。考えてもわからない時にはもう別なことに興味が移るんだ。「みんなが仲良く生きていければ良いな」って思うんだ。パパやママでさえ二人っきりの時には喧嘩していることがあるからね。喧嘩のい後には、前よりも仲良くなっているからあんまり心配いらないけれどね。オラはおしゃべりも苦手なんだ、言いたいことがのどまで出ているのに、言葉にならないんだ。でもオラのいいたいことはママやパパはなんとなくわかっているみたいだった。オラは今自分が幸せかどうか良くわからないんだ。食べ物にも困ったりしないし、快適な毎日だとは思うんだけど、無性に逃げたくなるんだ。オラに似た人がオリの中に入れられているのをテレビで観ていて、何だか嫌な気持ちになったしまった。オリの中の人は、オリのことは気にしていないみたいだった。その人はとても幸せそうに見えたんだ。オラは大声を出してママに知らせたんだ。するとママは困った顔をしていた。「どうしたの。そんなに大声をだして」といってテレビに写ったオリの中の人を見たんだ。その後ママとパパは何か相談しているみたいだった。「この子にとって、どっちが幸せな生き方なのかしらね?」とママがいうと、パパは難しい顔をして部屋に入ってしまったんだ。次の日、オラはパパとママに連れられてテレビで見たヒトの所へいったんだ。「ウータン、あれがあなたの本当のママよ」って、オラを抱きしめてママが泣きながらいったんだ。オリの中のヒトはオラに良くにている。その日からオラはそのヒトと暮らすことになったんだ。最後にママがオラにいった「さよならウータン」そう、オラはウータンっていう名前のオラウータンなのさ。