ivataxiの日記

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すだち ツバメ

駅のツバメの巣は年々数が減るようだ。今年は一つ。しか も小さい。どんどん開発が進み、田舎町らしかった風景もコンクリートとガラスに変わる。駅から巣を作る土やワラなど近くにはない。かといって昨年の巣では 気にいらないらしい。苦労して作った巣は小さすぎ夫婦?らしいツバメのオス?は巣に入らず金属の梁に止まり寝ていた。外から見ると土塊とワラなどのカタマ リみたいだったが、やがて巣からくちばしが見えるようになった。その頃には夫婦とも、巣には入らず横を守るみたいに梁に止まって眠る。両親が疲れきって 眠っているのに、黄色いくちばしたちは「今日ねこんなことがあったんだよ」とかいってるみたいに、それぞれに何か話しかけている。だんだん大きくなると、 子供たちだけでもその巣は小さく感じる。羽根や大きさでは大人と変わらないがまだ飛べないみたいなのだ。一羽の子供が、巣から少し離れた梁に止まっている のを見た。わずかだが自分の羽で飛び移ったのだろう。相変わらず親達は巣の横に寝ていて、共働き世代の現実の人間の親子を見る思いでもある。まだ子供たち は自分でエサを取れないが、やがて飛べるようになりどこか他の世界に飛び立つのだろう。そして、ここに戻るツバメも来年いるのだろうか?