これっきりマラソン

小学校の4.5年間運動禁止・体育見学の時期があったので、中学・高校はクラブに打ち込んだ。レギュラーにはなれなかったが練習を真面目にやった。時に「柔軟」と呼ばれるシゴキに良く耐えた。基礎トレーニングというのだろうか。1996年頃からお酒から遠ざかるためにウエイトトレーニングを始め肩を壊しそののリハビリで水泳を始めた。大阪友人I君が自分で組み上げたマウンテンバイクを譲ってもらった。そして「ハザマカンペイ」さんがテレビで走る映像を見て走り始めた。体重もあり走るのはつらい。だんだん時間を長くして行ったがどうしても15km以上は走れない。7月に沼津千本浜トライアスロンを予約した。スイム750m・バイク30km・ラン5kmの初心者向けだが、上級者も肩慣らしに出ている。その前に、バイパスが開通する直前のその道路を走るイベントにも参加した。往復10kmで自分としては少しきつい距離だった。ここも上級者が多く参加していた。ぼくの二倍のペースが先頭集団で往復の途中で折り返して来るのが見えた。専用のTシャツがありそれを地肌に着たたチクビがこすれて切れそうになった。良く男性でもチクビにバンドエイドをしているのはそのためだと後で知った。靴はニューバランスのかかとの高い奴でお気に入りだ。雑誌「トライアスロン」を見てニューバランスというメーカーを知ったのだ。自転車とランのデュアスロンは個人参加できるがトライアスロンはクラブに参加しないと出場できないので近くのクラブに登録した。ランニングとかするヒトはお酒も好きなヒトが多いのか飲み会も多くあり参加した。そこで「すり減ったカカトだけ通販で治すキットを売っている」と聞いたが、ぼくはガムテープで修理した。ガムテープは磨り減る過程で粘着部分が出て、そこに砂などがくっつきイヤな感じだ。たいてい毎日1時間走っていて、時速7.5kmなので7.5kmゆっくりなら平気で走れた。だがあと2.5kmという距離と自分なりに早く走ろうとするとが厳しい。「現代5種」に出ていたNさんがぼくと同じ位のタイムだったのでどうしたのかと思った。彼のズボンをまくり上げたヒザを見たら、手術の跡がはっきり見えた。おそらくその手術から現代5種からリタイヤしたのだろう。彼はそのあと若くして亡くなった。ゴールは特に何もなかった。たくさんのランナーがゴール辺りを通過して電光掲示板のタイムをそれぞれが確認するだけだった。なんとなくやり切れないと思ったら、駐車場で怒鳴る声を聞いた。ぼくもその気持はわかった。