ivataxiの日記

絵 文章 映画

津波に向かう船

何の番組かは忘れたし、一瞬見ただけのシーンだ。311の津波に一曹の船が向かっていく映像が映された。しかもその乗組員の男性が話をしている・・・つまり今も生きている。「この船がメインで、これがないと漁に出れない」と思うと、とっさに船を津波に向かわせていた。「灯台を越せば何とかなるかも?」と思ったという。船着場に置いておけば船が壊れるのは確か、ともかく少し離れた灯台を越した所で津波につかまる。彼はキャリアがすごい船乗りらしく、エンジンを切った・・黒い煙が出た。「波頭でスクリューやエンジンがやられるから」という。波の一番高い所から一気に落とされて「一瞬どうなったかわからなかった」とも。だが、気を取り直しすぐにエンジンを再起動。津波で壊された波消しブロックや、小舟が流れていて、船を壊さないように沖に出た・・・そして彼は船と共に生還した。映画にできそうな話・・でも本当のこと。「もう、あんなことはやっちゃあならねぇ。今度、津波が来たらなすがままにする」と、深いシワのある綺麗な顔だちで笑った。