ivataxiの日記

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こげら

庭が二階から見下ろせる。そう広くないが気に入っている。てっぺんを残してすべて枝を切り払った木があって、すでに中空になっているのか、きつつきが「こんこんこんこん・・・」と、ある日せっせとトンカチで叩くように音をさせていた。小さな鳥で「こげら」(日本でのきつつき)と呼ぶらしい。でも頭の重さを金槌のように使い、くちばしをノミのように振り落とし木に刻みを入れる。木が中空だからか、コルクみたいに柔らかく加工しやすいのだろうか?自分が入れる大きさの穴ができると、音がしなくなった。そこで休んでいるのだろうか?庭はお隣の真ん中なので、お隣はその音を「ぼくが大工仕事でもしているのだろう?」と、あえて庭を覗かなかったようだ。ぼくも最初はお隣が何かトンカチで作っているとも思ったが、人間のテンポとは違い早い打ちこみの音が続くので、おかしいな?と、見て保護色のその鳥を見つけて遠巻きに眺めて楽しんだ。良い忘れたが、うちには猫がおり、彼女は10才を少し越えた人間なら50才前後の鳥を捕ることにかけては職人技を見せるハンターねこなのである。穴は残っているのに最近鳥の姿を見ない。