ivataxiの日記

絵 文章 映画

ヒッツキ虫

公園の脇にには小さな水路があり散歩はその横の歩道を歩く。足元を見ないで歩くと、後でヒッツキ虫がズボンに付いていたりする。まったく、どこでどうやってくっついて来たのかさえ覚えがないから、ヒッツキ虫もプロの域に達すると隠密的存在となるようだ。動物や人間にくっついて、別の場所に移動して増えるというヒッツキ虫。植物なのに「虫」と呼ばれるのも不思議だ。とげの付いた丸い形・小さな粘着性の丸い物・タンポポのようで硬い茶色など様々な形がある。子供の頃は、なかば遊びで毛糸の服に投げて遊んだ。段々エスカレートして、戦争のようにムキになり、互いに半ベソをかいて帰ったなんてこともあった。友達同士の中に潜む、闘争本能を発芽させる魔力を隠し持ったヒッツキ虫は無視しては通れない。公園から水路を超え、歩道にまで達し人間にくっつこうとするその生存本能の強烈さを、ズボンにしがみ付いた小さなヒッツキ虫たちに見る思いである。