ivataxiの日記

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ジョンと千尋

ジョンレノンが「パパはビートルズだったの?」と、息子のショーンに言われて再起動した。どっかで聞いた話だと、思った。ジブリ・アニメ「千と千尋の神隠し」の中にもそんなシーンがあった。そこは不思議な国で、千尋は湯婆婆(ゆばあば)に「千尋」の「尋」を取られて「せん」と呼ばれるようになった。すごく昔みたいな異次元空間のお風呂屋さんの下働きを続ける生活が始まる。最初は「無断で屋台の食事を無銭飲食してブタにされた両親を許してもらうためりに働き始めた」という、大義名分を覚えていたのだが、次第に日々の忙しさに「せん」と呼ばれて生きるようになる、なにもかも諦めて。「ハク」という美少年も実はもう一つの名前と姿を持っていたという話。
ジョンレノンも父親は姿を隠し、母親は死亡、母の姉妹に育てられた。そんな家族愛に飢えた少年期の渇望を埋めるように、音楽活動を休止してアメリカでジョンは単なる「主夫」としての生活に忙しかったハズだ。息子のショーンがどこからか聞いた「君のお父さんはビートルズだったのでは?」というアイマイな情報から「パパというはビートルズだったの?」という子供らしい質問となったのだろう?すっかりかつての世界を席捲したビートルズ時代のジョンレノンは彼の中でなりを潜めて隠れて息を殺していたかもしれない。でもまだ、すっかり死んではいなかったのだろう。活動再開のジョンレノンは短い活動期間に、今も残る名曲を残した。主夫活動から得た普通の男・普通の結婚・普通の子育ての経験がどこかに隠された愛の溢れた一連の曲たちは、彼の命と引き換えにこの世に生まれたのかもしれない。