ivataxiの日記

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阿寒湖ユースホステル

大学を中心に考えると2浪である。新丸子の薬局でバイトしている程度で参宮橋のアパートから小田急大根の大学まで電車とかで1時間少しの毎日で時間もお金もあまりゆとりがない。だが大阪時代の友人が「車を出すから北海道に行こう」というので夏休みにお伴した。彼は同級生だが現役で大阪芸大に通う大学生だからすでに3年だった。彼は自宅から大阪の大学に通うので普段から自家用車ニッサンチェリーを乗り回す身分だ。大阪から車で出発。敦賀からフェリーで小樽まで。途中、バケツ一杯のゆでたカニを買って食べたり湿地帯を見たりする。函館では車内泊。湯沸しを車のシガーライターで電源を取りカップラーメンの夕食。小樽の臼状の夜景は綺麗だった。苫小牧・摩周湖・オロフレ峠・などのルートはわからないが当時まだ未舗装の道が多かった。途中どこかのユースホステルで黄色いワーゲンの関西の同年代の大学生と合流し摩周湖に行く。「ワーゲンはエンジンが後だから峠を下る時転がってとまった。」と豪快な人だ。阿寒湖ユースホステルではぼくだけお金が底をつくことになる。大阪の友人は「そこで出会った女性と網走まで行き帰りにぼくを拾う」という。数日間阿寒湖ユースホステルでぼくはバイトして残されることになる。今までお客さんとしてユースホステルを訪れたことはあるが、もてなす側になるとは思わなかった。昼間は女性の団体客たちとボートを漕いだこともある。役得なのである。夜は泊まっているみんなで遊ぶのだがいくつかのユースホステルでのゲームのやり方をまねることができた。ゲストのはずの一人の男子大学生が手伝ってくれた。(あとでわかったが彼は青山学院大学でアパートも参宮橋と近いらしく、戻ってからも何度か会うことになった。青山学院大学の学園祭にも招かれ一度行ってみたが、逆に自分が小さく思えて悲しくなった)そうこうするうち大阪の友人は女性をどこかに下ろして一人で車で戻って来た。あとは帰途で札幌ユースホステルに宿泊。今度はお客さんとしてだ。大倉山ジャンプ競技場の夏は不思議だ。雪のない斜面の頂上に立つと訳もなく足がすくむ。高所恐怖症だったらしいと知る。ジャガイモ・アイスクリーム・とうもろこし・ラーメンなど北海道は何でも美味しい。ここにいると間違いなく太りそうだ。大学1年生の北海道の旅は何故か、遊んだことよりもバイトした阿寒湖ユースホステルの印象の方が苦しかったにもかかわらず今も忘れられないのだ。