ivataxiの日記

絵 文章 映画

伝説のかき氷

高校の帰り道に寄るのかその店の外には高校生特有の同じデザインの銀色の自転車が乱雑に置かれている。その店のある通りはガチャマン時代(紡績が盛んな時代にこの辺りでは、ガチャンと機械を動かすと一万円が儲かったという形容でガチャマン時代と呼ばれる)の大きな紡績工場から駅につながる目抜き通りだったようだ。今はもう紡績会社も中国へ・・その通りもお店が消えた。高校生たちが食べるラーメンは良く見るとインスタントで、この店のオーナーの女性が作ってくれているが利益を値段に含んでいるのかはナゾ?この店の夏は活気を帯びる。昔の機械でかき氷を作るのだ。切り出した氷の塊をしっかり固定してゆっくり回る機械でシャリシャリと氷をかいて削り出すのだ。氷の荒い削り面は最先端とは程遠い。「こんなに大盛りで良いの?」と、思う。だが、物語はそこから始まる。この女性が手でそのかき氷を押して潰す。さらにその上にシャリシャリ・・。大盛りではなく圧縮かき氷なのだ。金額は知らない。でも高校生たちが毎日のように部活のあとで食べるのだから、それほど高くはないのだろう。またそのお店を女性は開けているのかどうかはわからない。伝説のかき氷なのである。