ivataxiの日記

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ススキ

ススキ

そういえば、ススキのことを忘れていた。マツタケなんてテレビでしか見ないから日常実感のないハズの存在なのに、普段テレビで目にするから、まるで実際に食べているような錯覚さえ覚える高価な食材なのだ。テレビの外の我が食卓は現実的でシビアなのだが・・。一方ススキは普段から良く目にしている割に、どこか心の中で「いつでも見れる」的・差別・蔑視的な潜在意識があるのか、目の端に画像として添えられるだけの記憶に留められているようにも思え、反省するのだ。今はまだ、穂が散るという程、秋は進行していないみたいなのだ。ハッパに見える緑色の先端部分がふくらんで来ると、セミが抜け殻からゆっくり出てくる時の苦しみを感じる動きで、緑のハッパを破って昆虫のように背中?が現れて、やがてすっかり姿を現すと・・やはり植物のススキなのである。初めは細く硬いはりがね状なのだが、やがて厚みが増して穂が吹いて・・そして、タンポポみたいに飛んで、やがて枯れてその姿をさらす・・枯れススキとなるのである。ある生け花の展示で、この見慣れたススキを扱った人がいたので聞いてみた。「満月の夜に取りに行く。湿らした新聞紙でくるみ・・それでも毎日入れ替えないと、凛とした勢いはない」のだとか・・。見慣れたススキも、生け花的には手ごわい存在のようなのだ。