ivataxiの日記

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カットマン

個人的な話だが、気に入った髪を切る店があったのが豊橋かに道楽・グランドホテル近くだった。ほぼ10年間、毎月髪を切りに通った。カットマンが男性だというのも変わっていたのだが、並の男(カットマン)ではない。女性の扱いがうまいのが、天性なのか何なのか?ふくれっつらのマダムたちもすぐにゴロニャンさせてしまう。それより何より、センスと切りっぷりが良い。床屋さんなどでトロフィーをたくさん飾ってある店では、確かに腕は良いのかも知れないがセンス・・とは違うという店もあった。けっこう床屋遍歴の過去なのだ。その店に行かなくなった頃、豊橋にも行かなくなった。その店が気に入らなくなったのではなく、カットマンが白血病で亡くなったのだ。さすがに天国までは追いかけられない。地下の駐車場から出ると、段々地上に目線が合う。秋はイチョウの黄色が、歩道を埋めるのが、まず目に入る。最後にカットマンを訪れたのは、豊橋祭りの日。予約で急いでいたので、何も食べなかったが、屋台のヤキソバが美味しそうだった。そう・・たぶん、豊橋通いの習慣も、彼の死と共に無くなったようでもある。