ivataxiの日記

絵 文章 映画

幕の内弁当

幕の内弁当

スーパーマーケットで「幕の内弁当」を買うということになった。子供ではないが子供のお使い状態で、忘れるといけないから午前中にスーパーに向かう。考えてみたら、聞いたことはあるが「幕の内弁当」をスーパーで見かけたことがない・・。果たして存在するのかさえ危ぶまれているのである。だが、今回はあった・・幻の「幕の内弁当」ゲット・・。だが、日ごろ見慣れた、料金のバーコードの上に張られた「お得」「値引き」などのシールがない・・。値引きなしなのだ・・そうか、夕方買いに来れば良かった・・いや、やはり夕方には売り切れだろう・・。と、手に持ったまましばし呆然とした・・。だが、今買わないとやはり永遠にマボロシのままになることは明らかとあきらめた。他のお弁当に比べ、発砲スチロールの器が一際豪華である。「幕の内弁当」は、昔の日本の少ない楽しみである観劇で、一幕一幕の中間に、準備などの時間がかかり、その間に食べたので幕の内というのだと聞いた。普段は着ないよそ行きでおしゃれして連れ立って劇を見に行っても、多くはこの幕の間のお弁当が楽しみ・・という庶民の本音というものが、今も「幕の内弁当」というシンボルとしてお弁当業界のブランドとして君臨しているのかも知れないのだ。買い物を無事すませた安堵、and、値引きなしで買ってしまった消失感のはざまをユラユラと揺れ動く。後談だが・・豪華なパッケージに反して、中身が実は少なく、食後さらにご飯をおかわりしてしまった。