ivataxiの日記

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009

神山健治氏の「サイボーグ009」観始め。
石森章太郎のマンガがマンガの最初の刷り込み世代なので、009のキャラは当時の姿と神山キャラで頭の中で相関関係を確かめながら見ている。石森はシンプルな絵柄(途中から劇画化して妙に余計な線が増えたが)だったが、芸術的なセンスが随所に光る作家であった。アニメでは「レインボー戦隊ロビン」が好きだが、今ヨウツベで見てやはり古いとは思う。今度、これもアニメ化して欲しい。


石森の009の頃、島村ジョーが日本人とどこかの混血だったり。サイボーグ00ナンバー全員が違う国籍だという設定に驚いた。そもそもサイボーグということから驚いたが。今、自分の住むエリアでは外国人が普通に毎日見られる。様々な国籍も混血も日常だ。神山009では、途中に起きた「911」などの過去になかった事件が鍵となる。そこには多人種他宗教が違和感なく空気のようにある。00ナンバー全員が違う国籍であるということには、何も違和感が感じられない。


石森009の加速装置は「奥歯をカチっと噛む」と作動するが、神山009ではそんな操作はない。石森章太郎さんは自分の作品が将来アニメになったり映画化されたりすることを意図していたかどうかは定かではないが、時折、コマ送りみたいな動画的表現をしていた。特に加速装置のシーン。一般人が止まっていて、009が動いている姿がコマ送りで動画的に表現されていた。もちろん、描かれていない部分は読者が脳内構築するのだが。一方、神山009は、加速している009は消えて、また現れたり、そして一般の人が何か仕掛けられていたりという表現。空中で002と加速装置が使える者同士ではそっちを基準に描かれる。また、一人でも加速の動作が描かれる場合もある。ドバイの高層ビルに超高速で009がぶち当たるシーンで、いきなりガラスをぶち破るのかと思ったら、ふわっとなぜるように降りて、その後衝撃波で様々な物が壊れるという考え方は神山的で新しいと感じた。