ivataxiの日記

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小さい花

サクラが終わっても、道にはツツジが控えている。そのツツジも花は終わりつつあるのか気にならなくなった。二車線を走り、追越車線で窓を開けると甘い香りが車内に入る。ツツジの花は終わっても、花の甘いささやかな香りは植え込み沿いに並んで車の中に入るのが見えるようだ。1999年のアンゴルモアが降り立つ少し前、風を受ける小高い丘の上に立った。眼下には水田が並んでいる。どこまでも。風が顔に丘を駆け上がって当たる。目を閉じるとやはり甘い香り。水田にはささやかなピンクの色合いが混じる。 レンゲだ。 田んぼの土に良い効果があるとかいってたな。「一つだと小さい花だけど、うんとたくさん集まるとこんなに甘い香りがするのか?」と、その時思ったことを、ツツジの香りで思い出した。香りは時間をワープさせる物らしい。一人づつは小さいけれど、集めると素敵な香りがするのかも?人間の心も。