ivataxiの日記

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一輪車

大学を出て最初に就職したのは「広告代理店」であった。当時は「変わったパフォーマンス」を周囲から期待されているような、勝手な思い込みというものがあったのだと察する。ともかく、まだ流行ってもいなかった「一輪車」を購入した。周囲にも、誰も乗っている人がなく、教えてもらうこともできない。小さなパンフレットだけがライディングのコツをつかむヒントなのであった。二台平行に止まった自動車の隙間に、両手をつきながら、少しずつ前進し、車の端で両手を離し一輪車だけの走行をする。と、文字にすれば簡単のようなのだが、何度無残な転び方をしたものだろうか?ともかく一人で手放しで一輪車走行ができるようになった。自転車より遅いから「スピードを楽しむ」というのでもない。手押し信号機で車を止め、一輪車で渡る時、運転席のオドロキの目を見るのは楽しかった。でも、駐車場で練習しているのを見て「カッコワルイ」と、子供にいわれたのがショックで辞めてしまった。数年後に、一輪車は小学生を中心に全国的にブームとなった。でも今は「ふん。もう乗るもんか!」というのが、正直な感想なのである。