甘い物

甘い物

大学のゼミは難関で、なんとか人気ゼミにもぐりこむ。困ったことにマージャンと甘い物好きな先生。ぼくはどっちもダメ。都会（田舎の校舎なので都会が珍しい）にゼミで出た折には、普通「飲みに行こう」とか、そういうゼミを想像していた。だが「甘未喫茶（かんみきっさ）」で、集会。お酒なら何でも大丈夫。でも、甘いものは拷問以外の何物でもない。　あれから40年。　すでにお酒を辞めて10年程。まだ人間は続けているが記憶が怪しい。　今では甘いものが大丈夫な体質になった。　子供を産んだ後だからか？　いや　ワタシは男性。　タバコは元々吸わないから口の寂しさをお酒で紛らわすことはできないから、何でも甘いものがあればアメーバーのようにそちらに体が動き出す。饅頭・ケーキ・甘酒（これは一応まだ飲める）。人生の前半に楽しめなかった「甘い物の愉楽」を今更追いかけている。タイムマシンで40年前のゼミに戻って、先生と笑顔で甘未喫茶で出会いたいものだ。