ivataxiの日記

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コクリコ他

コクリコ坂の女性ばかりの謎の館は、明治に建てられた元は病院だったとか。医者になって出て行く女子の送別会にカルチェラタンの男子達も呼ばれる。しかし、男女がすっかり別れて座り、それぞれの盛り上がりを見せる。

 

メグ(ヒロインの名前らしい)の父親の写っている写真を、カルチェラタンの男の子も持っていた。ともかく、カルチェラタンの掃除に女子が総動員。魔女の宅急便の中にも部屋を掃除するシーンがあり重なる。男が集まる歴史ある建物はこんな物だろう。しかし、それはそれでイイとも思えるのだが。

 

生徒会長・風間くん・メグの三人は代表で「カルチェラタン」取り壊しに反対するため東京の理事長に掛け合いに行く。電車の駅で切符を切る音・・。そういえば、今はもう聞かなくなった音だ。プリペイドカードをかざして通る時に電子音が聞こえるだけだ。その前は、切符を機会にいれて穴が空いて出て来たし、その前は切符の自販機が現れたのがすごいと思えた。もっともっと前は、人力で厚い切符うをカチカチと音を立てて切って改札を通過した。切符を切るハサミのような道具を空中で回す駅員さんもいたっけ。

 

ヒロイン松崎ウミは父親が朝鮮戦争の船で亡くなったという。僕の父方のお爺ちゃんも戦争中は食事兵として乗っていた船が魚雷に当たった。海に投げ出され浮いている物につかまり数日後(はっきり長さはわからない、本人の23回忌の時のまた聞きだから)日本の船に救助された時には生存者はわずかだったそうだ。海では偉いはずの軍人も浅ましく死んだり、女性は黙って沈み、男は「おかあちゃん」といって沈んだという。海上自衛隊を辞めた人に聞くと、一番つらい訓練はただ何かに捕まって海に浮いていることだとか。命懸けだとできるということもあるのかも?

 

ネタバレなので、見て確認してほしい。人間模様が複雑でちょっとした昼メロなみにからんでいるが、最後に解ける。ゲド戦記の歌の女性がエンディングを歌う。宮崎ゴロウ監督だからなんのか?そういえば飛行機ではなく船が物語を貫くところも宮崎ハヤオ監督との違いなのかも?

 

2011年邦画動員ナンバー1だった?(44.6億円)ということで、全体にわざと地味で古い感じな仕上がりだけど不思議な雰囲気がある。ゲド戦記から宮崎吾郎さん監督の2作目。脚本は宮崎駿さん・丹羽圭子さん。多くのジブリメンバー(鈴木敏夫さんプロデューサー・手嶌葵さん歌など)が過去からのつながりで制作に携わる。アニメの仕上がりは手書き風だが実はCGをうまく使っているようだ。坂道を下る時、微妙に道端の石のガードレールが斜めに傾いて動くトコロなんか、手で描くときっと大変だ。声優さんは長澤まさみさんが初出演「松崎海」役・岡田准一さん「風間俊」役。名前が似た、風間俊介さん(NHK愛と純)は水沼史郎役。徳丸理事長が香川照之さん。松崎花役、竹下景子さん・松崎良子役、風吹ジュンさん。手嶌葵さんの歌う「さよならの夏~コクリコ坂から」は1976年「さよならの夏」の主題歌を森山良子さんが歌ったそうです。カルチェラタン(Quartier Latin)は、教養のある学生の集まるパリの地域のことで、神田カルチェラタンは1968年、神田駿河台解放区の学生闘争を機動隊に鎮圧された事実・・。