大豆とあずきとどんぐりと栗

大豆とあずきとどんぐりと栗

大豆とあずきは互いに「ぼくの方が大きい」とか「ぼくの方が色が綺麗」とかいう。
でもそこにどんぐりがやってきた。
大豆とあずきは基本全体に丸くてつるっとしているから、仲間だが、どんぐりは頭に髪の毛みたいな帽子みたいなのがくっついていて仲間はずれ。
でも、そこに栗がやって来た。
栗はトゲトゲした長いまっすぐな髪の毛みたいなのに覆われているから、大豆とあずきだけじゃなくて、どんぐりともずいぶん違った。もう、この段階でどんぐりは大豆とあずきの仲間になった。
栗は自分のことが好きじゃなかった。
長いまっすぐな堅い髪の毛みたいなのがぐるっと体中を覆っていたから、誰も痛くて近寄れないのだ。
緑色をした外観がだんだん濃い茶色に変わった。
自然にをのぐるっと栗を覆った長いトゲトゲの中心に亀裂ができた。
中から、ツルッとした大豆ともあずきともどんぐりとも違うけど、どれともよく似た新しい栗の実が出てきた。
で、結局、みんな少しづつの違いはあるけど「これって個性だよね」ということで仲良く森で暮らしたそうな。
おしまい