ivataxiの日記

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銭湯の熱い湯

熱いお湯といえば、神奈川県新丸子の銭湯に最初に入った時、熱いので水で薄めようと大きな蛇口をひねったのだ。先に入っていた老人たちが「おい、お湯がさめるだろ」と、べらんめぇえ口調でいう。川崎の下町は江戸っ子か?と、疑う余地もなくすごすごと引き下がった。それにしても熱い。地獄の釜というのはこんなだろう。少し体を浮き上がらせると、お湯に入っていたのあたりが濃いピンク色に変色している。老人たちとてそれは同じはずだ。いったい誰が先に出るかを互いに牽制しあって見定めてから少しでも遅く出るというのが江戸っ子の心意気ってもんなのだろう。お湯の温度が湯船ではなく調理の釜の温度に近い。きっと、ぼくの味のスープが出ていただろうな。