ivataxiの日記

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同窓会は中学のが一度だけ

同窓会は中学のが一度だけ。17年前だった。ぼくのことを覚えている人が少なく当時の印象の弱さを改めて自覚させられた。だが、一方ぼくはぼくを覚えていない人々の子供の頃のことを覚えていて、彼らがいったことやしたことを克明に話すとウルサがられた。彼らの記憶の中には都合の悪い部分は削除されたまま脳裏に編集されて残っているようで、それは自分についても同じだろう。記憶はアイマイは方が良いのかも知れない。とてもつらかった記憶や時期は却って美化されていたりする。当時を文章にすると異常にイヤな部分が削除されてとても短い美しい記憶の短篇集のように完成されているから驚く。他の同級生もそんな風に過去を美化し削除して長い人生を生きて来たのだろう。古いウイスキーを忘れた頃に樽から出してテイスティングする時の、原型を留めない豊穣な香り・味となるように。人生は文学と化すのかも知れない。